n8nとOpenAI APIを連携させると、ChatGPTの力を活用したワークフロー自動化が可能になります。この記事では、APIキーの取得からn8nでの設定、実践的なワークフロー作成まで、初心者でもわかるようにステップバイステップで解説します。
この記事でできるようになること
この記事を読み終えると、以下のことができるようになります。
- OpenAIのAPIキーを取得する
- n8nにOpenAI APIを連携設定する
- GPT-4oなどのモデルを使ったワークフローを作成する
- メール要約、文章生成、チャットボットなどの実践的な自動化を構築する
所要時間は、APIキー取得から最初のワークフロー完成まで約15〜20分です。
事前準備
n8nとOpenAI APIを連携するには、以下の準備が必要です。
必要なもの
- n8nアカウント(Cloud版またはセルフホスト環境)
- OpenAIアカウント
- クレジットカード(OpenAI APIの利用料支払い用)
n8nのアカウント作成がまだの方は、を参考にしてください。
n8n Cloud版の無料クレジットについて
n8n Cloud版では、一部のOpenAIモデル(gpt-4o-mini、text-embedding-3-smallなど)を無料で試せるクレジットが提供される場合があります。ただし、利用できるモデルや回数に制限があるため、本格的な運用にはOpenAI APIキーの取得をおすすめします。
ステップ1:OpenAI APIキーを取得する
まずはOpenAIのAPIキーを取得します。
1-1. OpenAI APIプラットフォームにアクセス
以下のURLにアクセスしてください。
https://platform.openai.com/
ChatGPTと同じアカウントでログインできます。アカウントをお持ちでない場合は、「Sign up」から新規作成してください。
1-2. APIキーを作成
ログイン後、以下の手順でAPIキーを作成します。
- 左メニューから「API keys」をクリック
- 「Create new secret key」ボタンをクリック
- 名前を入力(例:「n8n」など、用途がわかる名前)
- Permissionsは特に変更不要(デフォルトのままでOK)
- 「Create secret key」をクリック
1-3. APIキーをコピーして保存
作成されたAPIキーが表示されます。このキーはこの画面でしか確認できません。必ずコピーして、安全な場所に保存してください。
画面を閉じてしまうとAPIキーは二度と表示されません。紛失した場合は、新しいキーを作成する必要があります。
1-4. 支払い方法を設定(初回のみ)
OpenAI APIの利用には料金が発生します。初回は最低$5のクレジット購入が必要です。
- 左メニューから「Settings」→「Billing」を選択
- 「Add payment method」をクリック
- クレジットカード情報を入力
- 「Add credit」でクレジットを追加
料金は使った分だけ課金される従量制です。GPT-4o-miniなら100万トークンあたり約$0.15と非常に安価なので、テスト用途であれば$5で十分です。
ステップ2:n8nにOpenAI APIを連携設定する
取得したAPIキーをn8nに登録します。
2-1. 新しいワークフローを作成
n8nにログインし、新しいワークフローを作成します。
- 左上の「+」ボタンをクリック
- 新しいワークフローが開きます
2-2. OpenAIノードを追加
- キャンバス上の「+」をクリック
- 検索ボックスに「OpenAI」と入力
- 「OpenAI」ノードを選択
2-3. 認証情報(Credential)を設定
OpenAIノードを追加すると、設定パネルが開きます。
- 「Credential to connect with」のドロップダウンをクリック
- 「Create new credential」を選択
- 「API Key」欄に、先ほどコピーしたOpenAIのAPIキーを貼り付け
- 「Save」をクリック
「Connection tested successfully」と表示されれば、連携完了です。
この認証情報は一度設定すれば、同じn8nアカウント内の他のワークフローでも使い回せます。
ステップ3:最初のワークフローを作成する
連携が完了したら、実際にOpenAI APIを使ったワークフローを作成してみましょう。
ワークフロー例1:手動実行でテキストを要約する
最もシンプルな例として、入力したテキストをChatGPTに要約させるワークフローを作ります。
構成
- Manual Trigger(手動実行)
- OpenAI(テキスト処理)
手順
- 「Manual Trigger」ノードを追加(ワークフローの開始点)
- 「OpenAI」ノードを追加し、Manual Triggerと接続
- OpenAIノードの設定で以下を入力:
OpenAIノードの設定
- Resource:Message a Model
- Model:gpt-4o-mini(コスト重視)またはgpt-4o(品質重視)
- Messages:以下のように設定
Role: User
Content: 以下のテキストを3行で要約してください。
(要約したいテキストをここに入力)
- 「Test step」をクリックして実行
- Output欄にChatGPTからの回答が表示されます
ワークフロー例2:Gmailの新着メールを自動要約
実用的な例として、Gmailで新着メールを受信したら自動で要約し、Slackに通知するワークフローを作ります。
構成
- Gmail Trigger(新着メール受信)
- OpenAI(メール内容を要約)
- Slack(要約をチャンネルに投稿)
Gmail Triggerの設定
- 「Gmail Trigger」ノードを追加
- Gmailアカウントと連携(初回のみ認証が必要)
- Trigger On:「New Email」を選択
- 必要に応じてLabel IDでフィルタリング
OpenAIノードの設定
- Resource:Message a Model
- Model:gpt-4o-mini
- Messages:
Role: System
Content: あなたはメールの内容を簡潔に要約するアシスタントです。
Role: User
Content: 以下のメールを3行で要約し、必要なアクションがあれば提案してください。
件名:{{ $json.subject }}
本文:{{ $json.text }}
{{ $json.subject }}や{{ $json.text }}は、前のノード(Gmail Trigger)から渡されるデータを参照する式です。これにより、受信したメールの件名や本文が自動的に挿入されます。
Slackノードの設定
- 「Slack」ノードを追加し、OpenAIノードと接続
- Slackワークスペースと連携
- 投稿先チャンネルを選択
- メッセージ内容に
{{ $json.content }}(OpenAIの回答)を設定
ワークフローを有効化
- 右上の「Save」でワークフローを保存
- 「Active」スイッチをONにして有効化
これで、新着メールを受信するたびに自動で要約がSlackに投稿されます。
ステップ4:チャットボットを作成する
n8nではAI Agentノードを使って、会話の文脈を保持するチャットボットも作成できます。
構成
- Chat Trigger(チャット入力を受け付け)
- AI Agent(OpenAI Chat Modelを利用)
- Window Buffer Memory(会話履歴を保持)
手順
- 新しいワークフローを作成
- 「When chat message received」(Chat Trigger)を追加
- 「AI Agent」ノードを追加し、Chat Triggerと接続
- AI Agentの「Model」に「OpenAI Chat Model」を追加
- OpenAI Chat Modelで認証情報を設定し、モデル(gpt-4o-miniなど)を選択
- AI Agentの「Memory」に「Window Buffer Memory」を追加(会話を記憶させる場合)
AIエージェントのカスタマイズ
AI Agentノードの「System Message」で、ボットの人格や動作を設定できます。
あなたは親切なカスタマーサポートアシスタントです。
以下のルールに従って回答してください:
<ul>
<li>回答は簡潔に、3文以内で</li>
<li>不明な点は正直に「わかりません」と答える</li>
<li>必要に応じて関連情報を提案する</li>
</ul>
テストと公開
- キャンバス下部のチャット入力欄からテスト
- 動作確認後、Chat Triggerの設定から「Publicly Available」をONにすると、URLを共有してWebから利用可能に
公開する場合はAPI利用料が発生するため、使用していない時は必ずワークフローを「Inactive」にしてください。
使用できるOpenAIモデルと料金目安
n8nから利用できる主なOpenAIモデルと、2025年時点の料金目安です。
| モデル | 特徴 | 入力料金(100万トークン) | 出力料金(100万トークン) |
|---|---|---|---|
| gpt-4o | 最新・高性能 | $2.50 | $10.00 |
| gpt-4o-mini | 高速・低コスト | $0.15 | $0.60 |
| gpt-4-turbo | 長文対応 | $10.00 | $30.00 |
| gpt-3.5-turbo | 旧世代・最安 | $0.50 | $1.50 |
モデル選びの目安
- コスト重視:gpt-4o-mini(ほとんどの用途で十分な品質)
- 品質重視:gpt-4o(複雑な分析や創造的な文章生成)
- 長文処理:gpt-4-turbo(大量のテキストを一度に処理)
初めての場合はgpt-4o-miniで試してみて、品質が足りなければgpt-4oに切り替えるのがおすすめです。
実践的なワークフローアイデア
n8n × OpenAI APIで作れる実践的なワークフローをいくつか紹介します。
顧客問い合わせの自動分類
- トリガー:メール受信 or フォーム送信
- 処理:OpenAIで問い合わせ内容を分類(技術サポート/請求関連/一般など)
- 出力:分類結果に応じて適切な担当者にSlack通知
日報の自動生成
- トリガー:毎日定時(Schedule Trigger)
- 処理:Slackの当日の投稿を取得 → OpenAIで要約 → 日報形式に整形
- 出力:メールで送信 or Notionに保存
RSS記事の要約・翻訳
- トリガー:RSS Feed Trigger
- 処理:新着記事をOpenAIで要約・日本語翻訳
- 出力:Slackチャンネルに投稿
議事録の自動作成
- トリガー:Google Drive(音声ファイルのアップロード)
- 処理:Whisper APIで文字起こし → GPTで議事録形式に整形
- 出力:Google Docsに保存
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法をまとめます。
「Invalid API Key」エラー
- APIキーが正しくコピーされているか確認
- APIキーの先頭・末尾に余分なスペースがないか確認
- OpenAIダッシュボードでAPIキーが有効か確認
「Rate limit exceeded」エラー
OpenAI APIのレート制限に達しています。
- 短時間に大量のリクエストを送らないよう調整
- Wait/Delayノードを追加してリクエスト間隔を空ける
- OpenAIの使用量ダッシュボードで制限を確認
「Insufficient quota」エラー
クレジット残高が不足しています。
- OpenAIダッシュボードの「Billing」でクレジットを追加
- Auto-rechargeを設定しておくと便利
出力が空になる・期待と異なる
- プロンプトが曖昧でないか確認
- 入力データが正しく渡されているか「Test step」で確認
- モデルを変更してみる(gpt-4o-mini → gpt-4o)
よくある質問
Q. OpenAI API利用料はどのくらいかかりますか?
A. gpt-4o-miniを使った場合、一般的な業務利用(1日100件程度の処理)で月額数百円〜数千円程度です。OpenAIダッシュボードで使用量をリアルタイムに確認できるので、定期的にチェックすることをおすすめします。
Q. n8n Cloud版の無料クレジットだけで運用できますか?
A. テストや学習目的であれば可能ですが、利用できるモデルや回数に制限があります。本番運用には自分のOpenAI APIキーを使うのが確実です。
Q. Claude(Anthropic)やGemini(Google)も使えますか?
A. はい、n8nはOpenAI以外にもAnthropic(Claude)、Google(Gemini)、Ollama(ローカルLLM)など複数のAIモデルに対応しています。設定方法は基本的に同じで、各サービスのAPIキーを取得してn8nに登録します。
Q. セルフホスト版でもOpenAI APIは使えますか?
A. はい、同じ手順で使えます。APIキーはOpenAI側で管理されるため、n8nがCloud版でもセルフホスト版でも問題ありません。
Q. APIキーの管理で気をつけることは?
A. APIキーは他人に共有しないでください。万が一漏洩した場合は、OpenAIダッシュボードから即座に無効化し、新しいキーを発行してください。また、使用量の上限設定(Usage limits)を設定しておくと、意図しない高額請求を防げます。
まとめ
n8nとOpenAI APIを連携させると、AIの力を活用した業務自動化が手軽に実現できます。
この記事で学んだこと
- OpenAI APIキーの取得方法
- n8nへの連携設定
- テキスト要約、メール処理、チャットボットなどの実践例
- モデル選びと料金の目安
- トラブルシューティング
まずはgpt-4o-miniを使った簡単なワークフローから始めて、徐々に複雑な自動化に挑戦してみてください。
n8nの基本的な使い方については、活用事例についてはも参考にしてください。

