n8n

【初心者向け】n8nローカルインストール完全ガイド|Dockerで5分で始める方法

Hirokuma
19分で読める
お気に入りに登録しませんか?
【初心者向け】n8nローカルインストール完全ガイド|Dockerで5分で始める方法

n8nをローカルPCにインストールすれば、無料でワークフロー自動化を試せます。クラウド版の月額費用を気にせず、じっくり学習したい方に最適です。

この記事では、Docker Desktopを使った最も簡単なインストール方法を解説します。コマンド操作が苦手な方でも、画面の指示に従って進めるだけで、5分程度でn8nを起動できます。

n8nローカル版とは?クラウド版との違い

n8nには「クラウド版」「セルフホスト版(VPS)」「ローカル版」の3つの導入方法があります。それぞれの特徴を確認しましょう。

項目 クラウド版 セルフホスト版(VPS) ローカル版
月額費用 €20〜(約3,000円〜) VPS代(500〜1,500円) 無料
常時稼働 ×(PC起動中のみ)
Webhook受信 △(ngrok等が必要)
セットアップ難易度 簡単 やや難しい 簡単
推奨用途 本番運用 本番運用 学習・テスト

ローカル版の最大のメリットは費用が0円であることです。ワークフロー数や実行回数の制限もないため、n8nの機能を存分に試せます。

ただし、PCをシャットダウンするとn8nも停止するため、常時稼働が必要な本番運用には向きません。まずはローカル版で基本を学び、本格運用時にVPSやクラウド版へ移行するのが一般的な流れです。

インストールに必要な環境

n8nをDockerでローカル実行するには、以下の環境が必要です。

対応OS

  • Windows 10 Pro/Enterprise(ビルド19041以上)またはWindows 11
  • macOS 10.15 Catalina以降
  • Linux(Ubuntu 20.04以降推奨)

Windows 10 Homeでも、WSL2(Windows Subsystem for Linux 2)を有効化すれば利用できます。

推奨スペック

項目 最低要件 推奨スペック
メモリ 4GB 8GB以上
ストレージ 10GB以上の空き 20GB以上
CPU デュアルコア 4コア以上

一般的なビジネス用PCであれば問題なく動作します。

Step 1:Docker Desktopのインストール

まず、Dockerをインストールします。Dockerは「仮想的なアプリ環境を作るツール」です。n8nを直接PCにインストールせず、安全に動作させることができます。

Dockerのダウンロード

Docker公式サイト(https://www.docker.com/products/docker-desktop/)にアクセスし、お使いのOSに合ったDocker Desktopをダウンロードします。

Windowsの場合は、AMDまたはARM64のどちらかを選択します。一般的なPCはAMD64(x64)を選んでください。ARM64は一部のSurface ProやARM搭載ノートPC向けです。

インストール手順

ダウンロードしたインストーラーを実行し、画面の指示に従って進めます。

Windowsの場合、インストール中に「Use WSL 2 instead of Hyper-V」というオプションが表示されたら、チェックを入れたままにしてください。Windows 10 Homeユーザーは、この設定が必須です。

インストールが完了したら、PCを再起動します。再起動後、Docker Desktopが自動的に起動します。

Docker Desktopの起動確認

Docker Desktopを起動すると、タスクバー(Windowsの場合)またはメニューバー(macOSの場合)にクジラのアイコンが表示されます。

初回起動時にサービス規約への同意を求められる場合があります。内容を確認して同意してください。

Windowsユーザーで「WSL 2 installation is incomplete」というエラーが表示された場合は、表示される指示に従ってWSL2をアップデートしてください。

Step 2:n8nのインストール(Docker Desktop GUI版)

Docker Desktopを使った最も簡単なインストール方法を紹介します。コマンドを入力する必要はありません。

Volumeの作成(データ永続化)

最初に、ワークフローやデータを保存するための場所(Volume)を作成します。この設定をしないと、n8nを再起動したときにデータが消えてしまいます。

Docker Desktopを開き、左側のメニューから「Volumes」を選択します。右上の「Create」ボタンをクリックし、Volume名に「n8n_data」と入力して作成します。

n8nイメージのダウンロード

左側のメニューから「Images」を選択します。上部の検索バーに「n8n」と入力し、表示される「n8nio/n8n」の右側にある「Pull」ボタンをクリックします。

ダウンロードには数分かかる場合があります。完了すると、Imagesの一覧に「n8nio/n8n」が表示されます。

コンテナの起動

ダウンロードしたイメージの右側にある「Run」ボタン(再生アイコン)をクリックします。設定画面が表示されるので、「Optional settings」を展開して以下の項目を入力します。

項目 設定値
Container name n8n
Host port 5678
Volume (Host path) n8n_data
Volume (Container path) /home/node/.n8n

環境変数(Environment variables)として、以下を追加するとタイムゾーンが日本時間になります。

Variable Value
GENERIC_TIMEZONE Asia/Tokyo
TZ Asia/Tokyo

設定が完了したら「Run」ボタンをクリックします。

Step 3:n8nにアクセス

コンテナが起動したら、ブラウザを開いて以下のURLにアクセスします。


<a href="http://localhost:5678" target="_blank" rel="noopener">http://localhost:5678</a>

n8nのセットアップ画面が表示されます。

アカウントの作成

初回アクセス時に、オーナーアカウントの作成を求められます。以下の情報を入力してください。

  • 名前
  • メールアドレス
  • パスワード

このアカウント情報はローカルに保存されるため、外部に送信されることはありません。ただし、パスワードは忘れないように控えておいてください。

「Next」をクリックして進むと、n8nのダッシュボードが表示されます。これでインストールは完了です。

Step 4(任意):コマンドラインでのインストール

より細かい設定をしたい方や、GUI操作が苦手な方向けに、コマンドラインでのインストール方法も紹介します。

Volumeの作成

ターミナル(Windows: PowerShell、mac: ターミナル)を開き、以下のコマンドを実行します。


docker volume create n8n_data

n8nの起動

以下のコマンドでn8nを起動します。


docker run -d 
  –name n8n 
  -p 5678:5678 
  -e GENERIC_TIMEZONE=”Asia/Tokyo” 
  -e TZ=”Asia/Tokyo” 
  -v n8n_data:/home/node/.n8n 
  –restart unless-stopped 
  n8nio/n8n

Windowsの場合は、バックスラッシュ()を使わず1行で入力するか、PowerShellでバッククォート(`)に置き換えてください。


docker run -d –name n8n -p 5678:5678 -e GENERIC_TIMEZONE=”Asia/Tokyo” -e TZ=”Asia/Tokyo” -v n8n_data:/home/node/.n8n –restart unless-stopped n8nio/n8n

各オプションの説明

オプション 説明
-d バックグラウンドで実行
–name n8n コンテナの名前を設定
-p 5678:5678 ポート5678でアクセス可能にする
-e 環境変数の設定
-v データの永続化(ボリュームマウント)
–restart unless-stopped PC再起動時に自動で起動

n8nの基本操作

インストールが完了したら、簡単なワークフローを作成してみましょう。

最初のワークフロー作成

ダッシュボードの「Create a new workflow」または「+」ボタンをクリックして、新しいワークフローを作成します。

ワークフロー編集画面が開いたら、「+」ボタンをクリックしてノードを追加できます。検索ボックスに「Manual Trigger」と入力し、選択してください。

Manual Triggerは手動でワークフローを実行するためのトリガーです。「Execute Workflow」ボタンをクリックすると、ワークフローが実行されます。

AIエージェントのテスト

n8nはAI機能も搭載しています。ホームページから「Test a simple AI Agent example」を選択すると、AIエージェントのデモワークフローを試せます。

OpenAI APIキーがない場合は、Google Geminiに置き換えることも可能です。Geminiは無料でAPIキーを取得できるため、初心者にもおすすめです。

n8nの停止・起動・アップデート

日常的な操作方法を解説します。

停止方法

Docker Desktopの「Containers」タブから、n8nコンテナの右側にある停止ボタン(■)をクリックします。

コマンドラインの場合は以下を実行します。


docker stop n8n

起動方法

Docker Desktopで停止中のコンテナの右側にある再生ボタン(▶)をクリックします。

コマンドラインの場合は以下を実行します。


docker start n8n

アップデート方法

n8nは頻繁にアップデートされるため、定期的に最新版に更新することをおすすめします。

Docker Desktopの場合は、「Images」タブで「n8nio/n8n」を右クリックし、「Pull」を選択して最新イメージをダウンロードします。その後、既存のコンテナを削除して、新しいコンテナを作成します。

コマンドラインの場合は以下の手順で実行します。


# 最新イメージをダウンロード
docker pull n8nio/n8n

# 既存コンテナを停止・削除
docker stop n8n
docker rm n8n

# 新しいコンテナを起動(Step 4の起動コマンドを再実行)
docker run -d –name n8n -p 5678:5678 -e GENERIC_TIMEZONE=”Asia/Tokyo” -e TZ=”Asia/Tokyo” -v n8n_data:/home/node/.n8n –restart unless-stopped n8nio/n8n

Volumeにデータが保存されているため、コンテナを削除してもワークフローや設定は消えません。

トラブルシューティング

インストール時によくある問題と解決方法をまとめました。

ポート5678が使用中のエラー

「port is already in use」というエラーが表示された場合、すでに5678番ポートを使用しているアプリケーションがあります。

別のポート番号(例:5679)を使用するか、該当のアプリケーションを停止してください。ポートを変更する場合は、起動時に「-p 5679:5678」と指定します。

WSL 2のエラー(Windows)

「WSL 2 installation is incomplete」や「WSL update is required」というエラーが表示された場合、PowerShellを管理者権限で開き、以下のコマンドを実行してください。


wsl –update

その後、PCを再起動してDocker Desktopを起動します。

コンテナが起動しない

Docker Desktopの「Containers」タブでn8nコンテナのログを確認します。コンテナ名をクリックすると、ログが表示されます。

よくある原因として、メモリ不足があります。Docker Desktopの設定(歯車アイコン)から「Resources」を開き、割り当てメモリを増やしてください(4GB以上を推奨)。

データが消えた

Volumeを設定せずにコンテナを削除すると、データが失われます。必ずVolumeを作成し、「-v n8n_data:/home/node/.n8n」オプションを指定してください。

ローカル版の制限事項と対処法

ローカル版には本番運用と比較していくつかの制限があります。

Webhookの制限

ローカル環境では、外部サービスからのWebhookを受け取れません。「localhost」はインターネットからアクセスできないためです。

この制限を回避するには、ngrokやCloudflare Tunnelなどのトンネリングサービスを使用します。これらのサービスは、一時的な公開URLを発行し、外部からのアクセスをローカル環境に転送します。

常時稼働の制限

PCをシャットダウンまたはスリープすると、n8nも停止します。定期実行のワークフローは、PCが起動中でないと動作しません。

常時稼働が必要な場合は、VPSへのセルフホストまたはn8n Cloudの利用を検討してください。

次のステップ

ローカル版でn8nの基本を学んだら、以下のステップに進んでみてください。

  • n8nの公式テンプレートを試す:700以上のテンプレートからワークフローをインポートできます
  • 外部サービスと連携する:Gmail、Slack、Google Sheetsなど400以上のサービスと接続できます
  • AI機能を活用する:ChatGPT、Claude、Geminiなどと連携したワークフローを構築できます
  • 本番運用を検討する:VPSへのセルフホストやn8n Cloudへの移行を検討します

よくある質問(FAQ)

Q. ローカル版は完全に無料ですか?

A. はい、ローカル版(Community版)は完全無料です。ワークフロー数や実行回数の制限もありません。ただし、商用サービスとして第三者に提供する場合は、ライセンスの確認が必要です。

Q. Docker以外の方法でインストールできますか?

A. はい、Node.jsとnpmを使ってインストールすることも可能です。ただし、n8nはNode.js v20.19〜v24.xを要求するため、バージョン管理が必要です。Dockerを使う方法が最も簡単で、公式でも推奨されています。

Q. PCのスペックが低くても動きますか?

A. メモリ4GB、デュアルコアCPUがあれば基本的なワークフローは動作します。ただし、複雑なワークフローや大量のデータ処理を行う場合は、より高いスペックが必要です。

Q. ローカル版からVPSやクラウドに移行できますか?

A. はい、ワークフローをエクスポートして、別の環境にインポートできます。ただし、認証情報(Credentials)は暗号化されているため、移行先で再設定が必要な場合があります。

Q. セキュリティは大丈夫ですか?

A. ローカル版はPCの中だけで動作するため、外部からのアクセスはありません。データはすべてPC内に保存されるため、プライバシーの観点では安全です。ただし、ngrokなどで公開する場合は、認証設定などのセキュリティ対策が必要です。

まとめ

この記事では、Docker Desktopを使ったn8nのローカルインストール方法を解説しました。

インストールの流れは以下の通りです。

  1. Docker Desktopをインストール
  2. Volumeを作成(データ永続化)
  3. n8nイメージをPull
  4. コンテナを起動
  5. http://localhost:5678 にアクセス

ローカル版は無料でn8nの全機能を試せるため、学習やテストに最適です。まずはシンプルなワークフローから始めて、徐々に複雑な自動化に挑戦してみてください。本格的な運用が必要になったら、VPSへのセルフホストやn8n Cloudへの移行を検討しましょう。