n8nとChatGPTを連携させると、AIの力を活用した業務自動化が簡単に実現できます。この記事では、設定方法から実践的な自動化ワークフローの作り方まで、初心者にもわかりやすくステップバイステップで解説します。
n8n × ChatGPT連携でできること
n8nとChatGPTを連携させると、これまで人間がやっていた「考える作業」まで自動化できるようになります。
連携で実現できる自動化の例
- メールの自動要約・返信生成:受信メールを読み取り、要点を要約したり返信案を自動作成
- 問い合わせの自動分類:顧客からの問い合わせを内容別に自動分類してSlackに通知
- コンテンツの自動生成:RSSフィードから記事を取得し、要約やSNS投稿文を自動作成
- チャットボットの構築:自社用のカスタムチャットボットを作成してWebに公開
- 日報・議事録の自動作成:Slackの投稿や会議メモから自動でレポートを生成
単なる「作業の自動化」から、「思考を含む処理の自動化」へ。これがn8n × ChatGPT連携の真価です。
連携に必要な準備
n8nとChatGPTを連携するには、以下の準備が必要です。
必要なもの
- n8nアカウント(Cloud版またはセルフホスト環境)
- OpenAIアカウント
- OpenAI APIキー
ChatGPTを外部サービスから利用するには、OpenAIの「API」を使います。普段ブラウザで使っているChatGPT(chat.openai.com)とは別の仕組みですが、同じOpenAIアカウントでAPIキーを取得できます。
n8nのアカウント作成がまだの方は、を参考にしてください。
ステップ1:OpenAI APIキーを取得する
まずはChatGPTを使うためのAPIキーを取得します。
1-1. OpenAI Platformにアクセス
https://platform.openai.com/
普段使っているChatGPTと同じアカウントでログインできます。
1-2. APIキーを作成
- 左メニューから「API keys」をクリック
- 「Create new secret key」をクリック
- 名前を入力(例:「n8n連携用」)
- 「Create secret key」をクリック
表示されたAPIキーを必ずコピーして保存してください。この画面を閉じると二度と確認できません。
1-3. 支払い設定(初回のみ)
API利用には料金が発生するため、クレジットカードの登録が必要です。初回は$5程度のクレジット購入で十分です。
左メニュー「Settings」→「Billing」から設定できます。
ステップ2:n8nでChatGPTを設定する
取得したAPIキーをn8nに登録します。
2-1. OpenAIノードを追加
- n8nで新しいワークフローを作成
- キャンバス上の「+」をクリック
- 検索ボックスに「OpenAI」と入力
- 「OpenAI」ノードを選択して追加
2-2. 認証情報を設定
- OpenAIノードの「Credential to connect with」をクリック
- 「Create new credential」を選択
- 「API Key」欄にコピーしたAPIキーを貼り付け
- 「Save」をクリック
「Connection tested successfully」と表示されれば設定完了です。この認証情報は、同じn8nアカウント内の他のワークフローでも使い回せます。
ステップ3:最初のワークフローを作ってみよう
設定が完了したら、実際にChatGPTを使ったワークフローを作ってみましょう。
ワークフロー①:テキストを要約させる
最もシンプルな例として、入力したテキストをChatGPTに要約させてみます。
構成
- Manual Trigger(手動実行)
- OpenAI(テキスト処理)
設定手順
- 「Manual Trigger」ノードを追加
- 「OpenAI」ノードを追加し、Manual Triggerと接続
- OpenAIノードを以下のように設定:
- Resource:Message a Model
- Model:gpt-4o-mini
- Messages:
Role: User
Content: 以下のテキストを3文で要約してください。
(要約したいテキストをここに入力)
- 「Test step」をクリック
- Output欄にChatGPTからの要約が表示されます
ワークフロー②:メールを受信したらChatGPTで要約してSlack通知
実用的なワークフローとして、Gmailで特定のメールを受信したら、ChatGPTで要約してSlackに通知する仕組みを作ります。
構成
- Gmail Trigger(メール受信をきっかけに開始)
- OpenAI(メール内容を要約)
- Slack(要約結果を投稿)
Gmail Triggerの設定
- 「Gmail Trigger」ノードを追加
- Gmailアカウントと連携
- Trigger On:「New Email」を選択
- 必要に応じてLabel IDでフィルタ(例:特定ラベルのメールのみ)
OpenAIノードの設定
- Resource:Message a Model
- Model:gpt-4o-mini
- Messages:
Role: System
Content: あなたはビジネスメールを簡潔に要約するアシスタントです。
Role: User
Content: 以下のメールを3行で要約し、必要なアクションがあれば提案してください。
件名:{{ $json.subject }}
差出人:{{ $json.from }}
本文:{{ $json.text }}
{{ $json.subject }}などは、前のノード(Gmail Trigger)から渡されるデータを参照する式です。実際に受信したメールの内容が自動的に挿入されます。
Slackノードの設定
- 「Slack」ノードを追加し、OpenAIノードと接続
- Slackワークスペースと連携
- 投稿先チャンネルを選択
- メッセージ内容:
📧 新着メール要約n{{ $json.content }}
有効化
- 右上の「Save」で保存
- 「Active」をONにして自動実行を有効化
これで、対象のメールを受信するたびに自動で要約がSlackに投稿されます。
ステップ4:AIチャットボットを作成する
n8nの「AI Agent」ノードを使うと、会話の文脈を保持するチャットボットも簡単に作れます。
構成
- Chat Trigger(チャット入力を受け付け)
- AI Agent(ChatGPTで回答を生成)
- Window Buffer Memory(会話履歴を記憶)
設定手順
- 新しいワークフローを作成
- 「When chat message received」(Chat Trigger)を追加
- 「AI Agent」ノードを追加し、Chat Triggerと接続
- AI Agentの「Model」に「OpenAI Chat Model」を追加し、認証情報を設定
- モデルを選択(gpt-4o-miniなど)
- AI Agentの「Memory」に「Window Buffer Memory」を追加(オプション)
チャットボットの人格を設定
AI Agentノードの「System Message」で、ボットのキャラクターや動作ルールを設定できます。
あなたは株式会社〇〇のカスタマーサポートアシスタントです。
以下のルールに従って回答してください:
<ul>
<li>丁寧な言葉遣いで回答する</li>
<li>回答は簡潔に、3文以内で</li>
<li>わからないことは「担当者に確認します」と回答する</li>
<li>製品の価格については案内しない</li>
</ul>
テスト
キャンバス下部のチャット入力欄から会話をテストできます。
Webに公開(オプション)
Chat Triggerの設定から「Publicly Available」をONにすると、URLを共有してWebブラウザからアクセスできるようになります。公開時はAPI利用料が発生するため、使用しない時は必ず「Inactive」にしてください。
モデルの選び方と料金目安
ChatGPT(OpenAI API)で利用できる主なモデルと、選び方の目安です。
| モデル | 特徴 | 料金目安(100万トークン) | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|
| gpt-4o-mini | 高速・低コスト | 入力$0.15 / 出力$0.60 | 日常的な自動化全般 |
| gpt-4o | 最新・高性能 | 入力$2.50 / 出力$10.00 | 複雑な分析、高品質な文章生成 |
| gpt-4-turbo | 長文対応 | 入力$10.00 / 出力$30.00 | 大量のテキスト処理 |
選び方のポイント
- コスト優先:gpt-4o-mini(ほとんどの用途で十分)
- 品質優先:gpt-4o(重要な文書の生成、複雑な判断)
- 最初はgpt-4o-miniで試す:品質に問題があればgpt-4oに切り替え
日本語の場合、約400〜500文字で1,000トークン程度です。gpt-4o-miniなら1日100回の自動化を動かしても月数百円程度に収まります。
実践的な活用事例
n8n × ChatGPT連携で作れる実践的なワークフローをいくつか紹介します。
顧客問い合わせの自動対応
- トリガー:メールまたはWebフォーム受信
- 処理:ChatGPTで内容を分析し、カテゴリ分け(技術/請求/一般)
- 出力:分類結果に応じて担当部署にSlack通知 + 自動返信メール送信
SNS投稿の自動作成
- トリガー:ブログ記事の公開(RSS Trigger)
- 処理:ChatGPTで記事を要約し、X(Twitter)向けの投稿文を生成
- 出力:自動でSNSに投稿
日報の自動生成
- トリガー:毎日定時(Schedule Trigger)
- 処理:当日のSlack投稿やカレンダー予定を収集 → ChatGPTで日報形式に整形
- 出力:メール送信またはNotionに保存
競合記事のモニタリング
- トリガー:RSS Feed Trigger(競合サイトのRSS)
- 処理:新着記事をChatGPTで要約・分析
- 出力:Slackチャンネルに通知
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法です。
「Invalid API Key」エラー
- APIキーが正しくコピーされているか確認
- 先頭・末尾に余分なスペースがないか確認
- OpenAIダッシュボードでAPIキーが有効か確認
「Rate limit exceeded」エラー
短時間にリクエストを送りすぎています。
- ワークフローにWaitノードを追加してリクエスト間隔を空ける
- OpenAIの使用量ダッシュボードでレート制限を確認
「Insufficient quota」エラー
クレジット残高が不足しています。OpenAIダッシュボードの「Billing」からクレジットを追加してください。
回答が期待と違う・精度が低い
- System Messageでより具体的な指示を与える
- プロンプトに具体例を含める
- モデルをgpt-4oに変更してみる
よくある質問
Q. ChatGPT Plus(有料プラン)に加入している必要がありますか?
A. いいえ、ChatGPT PlusとAPIは別のサービスです。n8nからChatGPTを使うにはAPIキーが必要で、APIの利用料は従量課金制です。ChatGPT Plus(月$20)に加入していなくてもAPIは使えます。
Q. API利用料はどのくらいかかりますか?
A. gpt-4o-miniを使った日常的な自動化(1日数十回程度)なら、月額数百円〜千円程度です。利用量はOpenAIダッシュボードでリアルタイムに確認できます。
Q. ChatGPT以外のAI(ClaudeやGemini)も使えますか?
A. はい、n8nはAnthropic(Claude)、Google(Gemini)、Ollama(ローカルLLM)など多くのAIサービスに対応しています。設定方法は同様で、各サービスのAPIキーを取得してn8nに登録します。
Q. 機密データをChatGPTに送っても大丈夫ですか?
A. OpenAI APIに送信したデータは、2024年3月以降、デフォルトでモデルのトレーニングに使用されません。ただし、機密性の高いデータを扱う場合は、社内ポリシーを確認し、必要に応じてn8nのセルフホスト版でデータを自社管理することも検討してください。
まとめ
n8nとChatGPTを連携させると、これまで人間がやっていた「読む・要約する・判断する・返信する」といった知的作業まで自動化できます。
この記事で学んだこと
- OpenAI APIキーの取得方法
- n8nでのChatGPT連携設定
- メール要約、チャットボットなどの実践的なワークフロー
- モデルの選び方と料金の目安
まずはgpt-4o-miniを使った簡単な要約ワークフローから始めて、徐々に複雑な自動化に挑戦してみてください。
n8nの基本的な使い方については、他の活用事例はも参考にしてください。

