「リンクジュースって何?」
「今でも有効なSEO手法なの?」
「被リンク戦略にどう活かせばいい?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
結論からお伝えすると、リンクジュースとはリンク元ページからリンク先ページへ検索エンジンの評価価値が渡されるという概念です。ただし、これはGoogleが公式に認めているものではなく、むしろ否定的な見解を示しています。2000年代前半に流行した古いSEO手法であり、現在は「TrustRank」など信頼性に基づくアルゴリズムを意識した被リンク戦略が重要です。
この記事では、リンクジュースの定義から現代のSEOにおける位置づけ、そして有効な被リンク戦略まで、わかりやすく解説します。
この記事でわかること
- リンクジュースとは何か
- なぜ古いSEO手法なのか
- 現在注視すべきTrustRankとは
- 内部リンクの本当の役割
- nofollowの現在の扱い
- 現代の被リンク戦略
リンクジュースとは?
「リンクジュース」とは、飲料のジュースが流れていくように、リンク元ページからリンク先ページへ、検索エンジンの評価価値が渡される、と考える概念を指します。
あるWebページから別のWebページへリンクが張られたとき、リンク元からリンク先へ渡される価値(権威性やドメインパワーなど)を指す概念です。英語の”juice”には「活力、エネルギー、(金銭などの)甘い汁」といった意味合いがあります。
たくさんのWebページから、たくさんのジュースを注がれたページは、検索エンジンから高評価され、検索結果の上位に表示されやすくなる、というロジックです。
非公式のスラングであることに注意
「リンクジュース」は、SEOの世界で俗にいわれる概念であり、Googleが公式に認めているものではありません。むしろ、Googleはリンクジュースについて否定的です。
Googleのジョン・ミューラーは「『リンクジュース』について読んだことは全て忘れて良い。全てが時代遅れで間違っていて、さらに誤解を招く可能性が非常に高い。それよりも、ユーザーにとって適切に機能するWebサイトを作ってほしい」と発言しています。
コンテンツが最重要なのは当然の大前提であり、リンクジュースは、あくまでも補助的なスパイスという認識が重要です。
「PageRank高比重時代」のリンクジュースの話は無視する
2000年代前半に流行したリンクジュース
リンクジュースという言葉は、2000年代前半の古いSEOで盛んに用いられた概念です。ネット上にあふれているリンクジュース情報のほとんどは、2005年頃に流行した古典的なSEOテクニックです。
現在は通用しません。なぜなら「ページランク」という、過去にGoogleのメインだったアルゴリズムを攻略する手法だからです。
PageRankとは
PageRank(ページランク)は、Googleのアルゴリズムの中で最も古く、最も有名なアルゴリズムです。Google創業者であるラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンが開発しました。
PageRankのアルゴリズムでは、WebページからWebページへのリンクを「投票」と解釈し、「どのサイトが、他ページから最高の情報源として、多く投票されているか?」を解析してランキング要因とします。
旧PageRankの重要度は下がっている
Googleの技術は大きな発展を遂げ、現在ではPageRank以外に数百以上のアルゴリズムが稼働しており、PageRankの重要度は相対的に低下しています。
2011年8月の時点で、Google公式ブログに「PageRankをこえて ― より実用的な指標へ」というメッセージが公開されています。
いま注視すべきアルゴリズムは「TrustRank」
被リンクは依然としてSEOにとって重要です。2020年代以降のSEOにおいて注視すべきは、旧PageRankよりも「TrustRank」です。
リンクジュースを再定義する
古いリンクジュースという言葉を、「リンク元ページからリンク先ページへ、何らかの情報が、検索エンジンに伝えられるという概念」と再定義します。かならずしも”甘い汁”ではないところがポイントです。
TrustRankとは
TrustRank(トラストランク)は、PageRankと同じようにリンクをベースとしたアルゴリズムです。「Search result ranking based on trust(信頼に基づく検索結果ランキング)」の名で特許を取得しています。
Googleは「Trust DB(信頼データベース)」を持っていて、そこには収集したWebページに関する信頼情報が蓄積されています。
TrustRankの仕組み:
- 信頼されたものに属するページへのリンク
- ユーザー(サイト運営者)が信頼するページを識別する信頼リスト
- 無価値なページの所有者を信頼するユーザーを識別する無価値リスト
TrustRankとリンクジュースの関係
「Googleが”信頼できるサイト”と認識しているサイト群と、自サイトがリンクによってつながると、信頼スコアを加算するリンクジュースが流れてくる」と考えられます。
逆に、信頼ランクの低いページと近しい関係と判定されれば、信頼スコアが減点されます。
シードページの概念
PageRankの特許更新では、選ばれた少数の信頼できるページとの関係の近さによって、信頼度を測る仕組みが追記されています。
ポイント:
- 「信頼できる」ページ(=シードページ)を選定し、シードページからのリンクをたどって、良質であると思われる他のページを発見する
- シードページからの直接リンクだけでなく、シードページからリンクされたページの先のリンクもたどっていく
- シードページからのリンク間の距離が短いほど、ランキングスコアが高くなる
SEOに活用する考え方
例えば、中小企業を支援するBtoBのオウンドメディアを運営していた場合、権威性の高いgo.jpドメインの中小企業庁から被リンクを獲得できれば、信頼スコアが上昇しSEO効果が得られます。
直接リンクしてもらうのがハードルが高い場合は、「中小企業庁からリンクされているサイトからのリンク」を獲得できないか考えます。
「信頼サイト群の輪の中に入る」ことを意識して被リンクの戦略を立てましょう。同時に「無価値サイト群の輪の中に入る」ことがないようにも注意が必要です。
内部リンクはGoogleのコンテキスト理解のために重要
高評価が内部リンク先に配分されることはない
古典的なSEOテクニックでは、「検索上位を獲得したページから、他のページへ内部リンクを張って、リンクジュースを分け与える」といった手法が使われていました。
現在、このようなことはないので注意してください。リンク先へ高評価が配分されるわけではありません。
内部リンクはコンテキスト理解のために重要
内部リンクによって検索順位がアップすることはありますが、それは「リンクジュースのおかげではない」のです。
内部リンクは、Googleやユーザーに、サイトのコンテキスト(ページ同士の関係性やさまざまな状況)の情報を伝える役割を果たします。
例えば、Googleは内部リンクのつながりを見て、サイト内でどのページが重要なのか理解します。全ページから内部リンクされているページ(例:トップページ)であれば、重要度の高いページだと理解します。
内部リンクは、リンクジュースのためではなくコンテキストを伝えるために注力すべきSEO施策です。
nofollowを使ったテクニックは過去のもの
nofollowとは
「nofollow」とは、リンクを張るときにHTMLのアンカータグの属性として適用できる値です。
nofollowの値は、もともとブログのスパム対策として、2005年にGoogleによって考案されました。「rel=”nofollow”を持つリンクは、リンク先のPageRankに影響を与えない」としたものです。
2005年当時は、リンクジュースの最盛期でもあり、「自サイトのリンクジュースを渡したくないページにリンクするときは”nofollow”を設定する」という手法が一般化しました。
現在のGoogleはnofollowでも考慮する
2019年9月にGoogleはnofollowの扱いを変更しました。
Google検索セントラルブログでは「すべてのリンク属性(sponsored、ugc、nofollow)は、Google検索でどのリンクを考慮または除外すべきかに関するヒントとして扱われます」と述べられています。
現在ではnofollowの値を持つリンクであっても、検索アルゴリズムで使用するシグナルとしてみなされます。
「コメントスパムに評価を与えたくない意思表示」など合理性がある場合には引き続きヒントとして利用されますが、評価を与えない合理性がないのにnofollowの値を設定しても、Googleは無視すると考えられます。
よくある質問(FAQ)
Q. リンクジュースは今でも有効?
A. 古いSEO手法としてのリンクジュースは通用しません。ただし、被リンクによる信頼性の伝達という概念自体は、TrustRankなどの形で現在も存在しています。
Q. PageRankはもう重要ではない?
A. PageRank以外に数百以上のアルゴリズムが稼働しており、相対的な重要度は低下しています。現在はTrustRankなど信頼性に基づくアルゴリズムを意識すべきです。
Q. 内部リンクでリンクジュースを渡せる?
A. いいえ、高評価が内部リンク先に配分されることはありません。内部リンクはサイトのコンテキスト(ページ同士の関係性)を伝えるために重要です。
Q. nofollowを設定すれば評価を渡さない?
A. 2019年以降、Googleはnofollowをヒントとして扱うようになりました。合理性がない場合はGoogleに無視される可能性があります。
まとめ:リンクジュースより信頼性を意識した被リンク戦略を
この記事では、リンクジュースの定義から現代の被リンク戦略まで解説しました。
重要ポイント:
- リンクジュースはGoogleが公式に認めていない概念
- 2000年代前半に流行した古いSEO手法
- ジョン・ミューラーは「全て忘れて良い」と発言
- 現在注視すべきはTrustRank(信頼に基づくランキング)
- 内部リンクはコンテキスト理解のために重要
- nofollowは2019年以降ヒントとして扱われる
現代の被リンク戦略:
- 「信頼サイト群の輪の中に入る」ことを意識する
- 権威性の高いサイトからの被リンクを目指す
- 直接が難しければ、信頼サイトからリンクされているサイトを狙う
- 無価値サイト群との関係を避ける
次のステップ:
- 自社サイトに関連する権威性の高いサイトを洗い出す
- そのサイトからリンクされているサイトを調査する
- 被リンク獲得の戦略を立てる
- 良質なコンテンツでユーザーに価値を提供する
リンクジュース自体は古いSEO手法のレガシーですが、「そんなものは存在しない」と完全に切り捨てるのではなく、TrustRankなど現代のリンクジュース的なモノに目を向けながら取り組むことで、より精度の高いSEOを実現できます。

